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転形期における町並み文化 −みの・ひだの歴史的建築物・町並み調査から−
みの ひだ 歴史的建築物・町並み

みの ひだ 歴史的建築物・町並み2
いま地方の時代といわれているが、岐阜でも夢おこし・町づくりが全県的に展開されている。

地方の特殊性というのか、地域文化や歴史においても個別的価値があるという見方ができる。そういう考え方が形象化するときに“その人間の全体性、地域の生活者の全体性”みたいなものに関わって出てくることが必要ではないのか。それは行政の組織づくりにも現われると思うし、時間がかかっても実践をしていくものであろう。それは100年、200年かかっても実験していく“スパンの長い考え方の町づくり”、“自分たちが住んでいる界隈の小さな町づくり”を自分たちで行なっていくという仕組みがあってもいいのでほないか。そういう時代であろうと思う。

自分たちが生活している町、たとえば、永井荷風の日和下駄というのがあるが、山の手から下町に降りていって20〜30分ぐらいで歩ける界隈を散策する。そういう中に自分たちの生活の場があり、その中に“温かい生活感”とか“自然感”も読み取ることができる。自分たちも年をとって長寿社会になったときに、近所にいろいろな施設もあり、自分の住まいと行き来ができるとか、そういう町づくりも身近なものとして捉えるという考えもできる。

自然と文化を考えるとき、自然をどう捉えるかということが一つある。

まったくの自然だと地のものだが、私たちが考える自然というのは人間の生存にとって役に立つ自然、人間に奉仕をしてくれる自然というところを尺度にして、そういう自然とどのくらい距離をとって判断するのか。自然と文化、自然感を取り入れた考え方をこれからはしていかなくてはいけないのではないか。

岐阜は、北部には標高3000m、白く輝く壮大な北アルプスの山々が眺望できる 生きた自然と山岳集落。南部には海抜0mに至る木曽、長良、揖斐三川の合流する水郷地帯と輪中集落、水田農耕からなる濃尾平野の民家。東西文化交流の要所に位置する宿場町、町屋からなる。このように岐阜は、美濃と飛騨を主軸に自然環境、生活を反映し、文化、交通においては「西の大垣、東の岩村」と望観されるように建築も町並みも多様な様相をみせている。

近代の経済成長下の乱開発や技術革新による生活、経済、文化の荒廃を救うためには、国土の自然、文化、歴史を見直して未来へ伝えていくことが至難のわざになった。建築は人間精神の生活文化−その固有の自然、風土および歴史の中に生きる人間の−を表出する形象の一つである。過去だけでなく、現在や将来も変化し続けていくことを認識し、むしろ変化する生活、変貌していく地域社会の中に過去の遺産、優れた伝統を積極的に活用していく視点が必要であろう。
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